イチロヲ

インプリント ぼっけえ、きょうてえのイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
意中の女性を捜し出すため、単身日本の遊廓を訪れたアメリカ人男性(ビリー・ドラゴ)が、尋ね人の情報を知る女郎(工藤夕貴)と接触する。岩井志麻子の短編を英語台詞で脚色している、サスペンス・ホラー。筆者は原作を読了済み。

アメリカのケーブルテレビが製作する「マスターズ・オブ・ホラー」の一遍なのだが、本編に登場する間引きの描写がNGとなり、テレビ未放映のビデオスルーに換えられた作品。しかし、それがカルト人気に棹さす結果をもたらしている。

作風は60~70年代に石井輝男が展開していた、エログロバイオレンスの系統に近い。海外の映画オタクが観たがっている、ストレンジかつビザールな日本映画をストレートに表現している。

暴力描写では、本作でデビューとなる緊縛女優・美知枝の折檻シーンが非常に素晴らしい。70年代エログロ路線をベースにしながら、痛覚に訴えかけてくる演出がブラッシュアップされており、演者の表現力に拍手を送りたくなってくる。
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