たけちゃん

ガープの世界のたけちゃんのレビュー・感想・評価

ガープの世界(1982年製作の映画)
3.5
T(とても)S(セクシー)なガープ。


ジョージ・ロイ・ヒル監督 1982年製作
主演ロビン・ウィリアムズ


8月に入り、ロビンの命日が一週間後と迫って来ましたので、シリーズ再開します!
シリーズ「ロビン・ウィリアムズ作品巡りの旅」
第5弾は「ガープの世界」
僕が初めて観たロビン・ウィリアムズの作品で、劇場でリアタイで観ています。35年前(笑)

前に「愛と哀しみのボレロ」をレビューした時にも書いたのですが、昔、地元の劇場の企画で、「シネマラソン」というイベントがありました。3ヶ月に1度くらいの頻度だったと思います。
夜9時から朝8時までの11時間で5~6本の作品を観る、文字通りマラソンです。昔はルーズだったので、途中で帰っても、途中から来ても良かったんですが、僕は全部観てました。途中で寝ないのが目標でした(笑)。朝方に「海と毒薬」とかあって、辛い回もあったなぁ……。
あと、北海道なので、夏以外は寒くてね~。
毛布とコーヒー、軽食持参で、ピクニックのようでしたね。

そのある時の1本がこれ。
毎回、スタートは名作枠のような感じで、「愛と哀しみのボレロ」のようなサイコーの出会いもあれば、ハズレもある。
この「ガープの世界」は、ハズレの方……。
ちょっと文芸作品すぎました。





さて、映画です。
これは当時観た時は、全く面白くなくて、良さが皆目分かりませんでした。でも、名作枠で流れたので、何とか理解しようと思ったが、無理でした(笑)

今回、改めて観たけど、やっぱり面白くはないよねぇ。レビューも弾まない(笑)
なんか、"ガープの世界"というか"ガープの人生"という感じで、考えてしまった。
ガープ、君はそれで良かったのかい?って。


原作はジョン・アービングのベストセラー小説。
主人公はT.S.ガープ。
ロビン・ウィリアムズが演じました。
「ポパイ」に次ぐ主演2作目。
ガープは私生児です。
夫は要らないけど、子供だけ欲しかったお母さんが、戦時下の病院で死にそうになっている三等曹長(Third Grade Sergeant)から種だけもらって妊娠。だから、T.S.ガープ。
それ自体がセンセーショナルだけど、後にそれを自叙伝に書いてベストセラーに。一躍時の人になる。
このお母さん自体が、当時のアメリカ、特にウーマン・リブ運動なんかを代表していますよね。
そもそもは、ボーボワールの「第二の性」なんかに影響を受けているんだと思うけど、この手の話に僕があんまり共感できないのも、この映画を面白く観られない原因かもね。

そのお母さん、ジェニー
演じるのはグレン・クローズ
この時、35歳でしたが、映画初出演。
わぁ、こんなに綺麗な人だったんだ
そして、やっぱり怖い😱(笑)
「Lust(肉欲)」って……
この演技でアカデミー賞助演女優賞ノミネート。


劇中で家族ぐるみの友人となるロバータ
実は性転換をした元フットボウラー
演じるジョン・リスゴーは凄かったなぁ。これでアカデミー賞助演男優賞ノミネートされました。
僕は全然覚えてなかった。


昔見た時のことで、唯一覚えていたのが、フェラチオ中の事故で、むすこを噛み切られた……という話ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ
それが、ガープだったか、他のものだったかも忘れていました。こんなことだったのか。


ラストを含め、今の時代の僕らには理解し難い行動原理もあり、時代を感じてしまった。
逆に、1960年~70年代の真実でもあるんでしょうね。

幸せの感じ方はそれぞれですが、僕はガープとは違う。それは強く思いましたよ。
「Lust」、まさにそこに負けていました。




さて、今回もプチ音ネタ💩ウンチクンです。
オープニングに流れるのが、ザ・ビートルズの「When I Sixty-Four」
傑作アルバム「サージェントペパーズロンリーハーツクラブパンド」収録のナンバーで、ポールの曲です。
ポールのお父さんが64歳になった時、昔書いたのを思い出して完成させた曲。呑気な感じで始まるけど、途中のアレンジがやっぱりサージェントの色で、耳に残ります。
僕が64歳になっても、同じように愛してくれるかい?というポールらしいラブソング。

ガープは64歳までは生きられなかったけどね。


ナット・キング・コールの「There Will Never Be Another You」。これは1955年に発表された曲で、元々はジャズのスタンダードナンバーです。
インストでもよく演奏されるんですが、歌詞はかなり切ない別れの曲ですね。これでチークダンスなんかしてそうです。


アリス・クーパーの「Long Way To Go」は、1971年発表のアルバム「Love It To Death」収録のナンバー。若さ溢れるナンバーよね。



今作は決して好きな映画ではないけれど、心に残る作品でしたよ。
さて、次はみなさん、おすすめのあの作品です( •̀ω•́ )و✧