ホイットモア大統領

パーフェクト ワールドのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)
4.7
大統領のハロウィン2020⑦

周りから見たら逃亡犯と人質かもしれない。
だけど当人たちには一時でも、父と子だった…

脱獄犯のブッチとテリーは成り行きから1人の少年フィリップを人質に取る。しかし、その子は父親を知らず、宗派ゆえ、様々な “楽しみ” も禁じられていた…

「2人しか殺していない。」

ブッチが極悪人でも善人でもないことを象徴する、素晴らしいセリフだと思う。
ここで確かなのは「悪い人ではない」ということ。子は親を選べず、ただ生まれた場所と環境が悪かっただけ…
※故に、あまりにも雑で誤解を招くFilmarksのあらすじに、私プンスカしてます!!

フィリップに「Trick or Treat」を教え、ジェットコースターを体験させ、車の乗り方を教えるブッチはまさに理想の父親像であり、そんなブッチの仕草を真似するキャスパー・コスのフィリップに頬が緩む。

中でも、ブッチにハロウィンを許してもらい、嬉しさのあまり手を繋ごうとして外され、繋ごうとして…繋げた!時のウキウキ・フィリップに俺の心臓が爆散した。

それだけに留まらず、IQ指数の高いブッチと野蛮なテリーの囚人コンビに始まり、昔気質だが情に熱い署長と欲望剥き出しのFBI捜査官、家族思いの父親とそうでない父親…等々、本作では様々な男像が描かれており、それらが過去を描かずともブッチやレッド署長のキャラクターに深みを与え、フィリップの成長物語の一翼を担っていたように感じた。

伏線の張り方もイーストウッド先生は本当に心得ており、それが張り詰めに詰めて…プッツンして以降のラスト40分!押し寄せる緊張と感動の波は一入!!!

てか、前に見たことあってオチも知ってるのに、今見返すとなんだこれ、コスナー版『T2』やんけ…嗚咽が過ぎて見終わった後、1時間ぐらい放心状態だったわ…

ということで遂に…!
「俺的三大・嗚咽映画」が決定!!!

①『テラビシアにかける橋』
②『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
③『パーフェクト・ワールド』
※順不同