kuu

待つ女のkuuのレビュー・感想・評価

待つ女(2006年製作の映画)
3.7
『待つ女』
原題 7 ans.
製作年 2006年。上映時間 86分。
囚人と妻とその愛人の愛と葛藤を描いた官能ドラマ。
愛を求め葛藤するヒロインをバレリー・ドンゼッリが熱演。

7年の刑を受け服役中の夫バンサンのため、週2回の面会に欠かさず通うメイテ。
ある日、面会を終え刑務所を出た彼女に見知らぬ男が声をかける。
ジャンと名乗るその男に車で送ってもらうことになったメイテは、成り行きから車の中でジャンと関係を持ってしまう。しかしジャンにはある秘密があり。。。

原題は7ans ( 7年)刑期が七年って事からきてて、コレこそフレンチの粘着質の愛欲と洗練され、また、磨き抜かれ巧緻なってソフィストケイト~ぅ。
そんな感性を描いた作品で、愛しい夫がムショにブチ込まれ、妻は働きながら週に二回のみの面会を楽しみにして暮らしとる。
若くて熟れうれ熟した女子にとってそれは耐えれへん状況なのか。
そんなもんかな。
イカレポンチの夫は妻を身近に感じたさかいに、牢番に(牢番てふるっ)妻を誘惑させて、やってる(なにを?って大人の秘め事)エロエロ音声を録音するように頼む。
アホや。
それを知らずに妻は罪悪感に苛まれながら牢番とのエロエロに呑まれ。
ヨォ日活ロマンポルノっと思うのはまだ早い、逝くのが速い人はもう一回。
これはフレンチ映画。
この事を知った妻と夫、それに牢番の三角関係が絡み合い、破局へ向かう。
何とも云えん怠慢な妻を演じてる女優の粘着質な風貌と裸体が不倫を妙に現実っぽく見せてる。
魅せてるかな。
粘っこいドロドロエロエロの生活の中での情欲を洗い流すように、美しい自然のフランスアルプスと、神への救いを求めた妻は、この三角関係を清算して、七年を貞操しつづけれるかっ。
今作品は略奪をテーマにした映画でありながら、官能、身振り、言葉、匂いで憧れと興奮を表現し、現実と空想のセックスのシーンがふんだんに盛り込まれてました。
今作品の最も滑稽な点は、ジャンがメイテとバンサンの人生において等しく重要であるだけでなく、ジャン自身にとっても、バンサンとの関係がメイテとの関係と同じくらい重要であるように見えることである。
途中から、不思議に思ったのは、ジャンはバイセクシュアルなんやろか。
そして、彼の顔は、蜜の味のような憧れの表情をしている。
このように、物事はどんどん激しくなってく。
そして、非常に論理的ではあるが、今作品はひねくれとる。
今作品は、限られた手段で複雑な感情を喚起させるのが巧いし、手堅い作品やとは思うが、印象に残るような特別なものはない。
ストーリーが最後にやや霧散してしまうような構成になっているのは否めない。
個人的には、洗練された伝統の産物であると同時に、どこか疲弊しているようにも感じられる作品でした。
また、音楽はよく選ばれてたし、撮影も良く細部にまで気を配ってるのが感じられ、作品における感覚、匂い、そして触覚に訴えてくるモンは興味深かったのは確かです。
また、3人の登場人物の関係において、何が重要で何が重要でないかを話してくれたのもよかったかな。
我々は、時に、そうでないものにも注意を払うことがあるし。。。
kuu

kuu