ホイットモア大統領

ローズマリーの赤ちゃんのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
4.3
Blu-ray購入記念に鑑賞。アイラ・レヴィンの原作既読であのオチは知ってましたが、十分楽しめました!というか最早『猿の惑星』並みに語り尽くされたストーリーだから、その辺はあんまり関係ないかも笑

これ、オカルト版『遊星からの物体X』なんじゃないかな?だから好きな気がする。
とはいえ、物体Xのようにグログロモンスターが出てきたりするわけではないし、沢山の展開があるわけでもない。でも、何かが起こりそう…何かありそう…という精神攻撃が全編続き、それがようやくラストで爆発する際のインパクトはこちらの方が上。むしろ映像に頼ることなく、会話や台詞からの想像で怖がらせる演出が、本作は秀逸だと思います。

けど、本作はオカルト描写のクオリティも高いんです!ローズマリーが見る、夢が現実かわからない映像の気味悪さと嫌悪感(特に赤いおっさん)は絶品。現在『ヘレディタリー』や『ミッドサマー』でアリ・アスター監督が注目されてますが、それらが好きな人は本作も是非!

また、本作がホラー映画だということを抜きにしても、当時若干23歳のミア・ファローが可愛過ぎる!これだけで本作を見る価値があると断言します!
個人的には前半のミディアム・ボブな髪型が好きだったけど、後半のショート・ヘアも抜群に似合ってる!むしろ顔や輪郭がより一層わかるようになって、妊娠や疑心暗鬼からのストレスで病的な表情になっていく様を演出するのにナイス判断だったと思います。クライマックスの表情とか特に。

その夫が当時39歳のジョン・カサヴェテスというのも、アンバランスな感じがして本作の違和感に一役買っている気がします。

けど何より1番は隣人のミニーおばさん!
本作でアカデミー賞助演女優賞を受賞したルース・ゴードンさんの演技が怖すぎる。引っ越してきたばかりで自分は若輩者、夫は隣人と仲が良い。そんな逃げ場のないローズマリーに狂気レベルの厚かましさで迫り、顔も『シャイニング』のウェンディーさんと並ぶぐらい強いんだから、その時点でアウト。俺ならあんなおばさんの煎れたお茶は飲めんよ笑