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ヒッチハイクのkekqのレビュー・感想・評価

ヒッチハイク(1976年製作の映画)
2.9
アメリカを舞台にしたイタリア映画。オートキャンプの帰り道、なにげなく乗せたヒッチハイカーが実は…!?というお話。

いいケツした奥さん(本編より引用)と呑んだくれの冴えない亭主というシリアルキラーものではいかにも早めに殺されそうなカップルが主人公、しかも結婚9年目ですっかり倦怠期真っ盛りという設定はおもしろく、アクションはけっこうハデで予想を裏切る展開も随所に見ることができ、極限状態で試される夫婦愛や社会批判、エンターテイメント批判もあり、とっ散らかりながらも盛りだくさんで飽きない作品でした。
「濡れ場を出しときゃ売れるんだ!」は犯人の主張ではなく監督のセオリーでしょうか。

その濡れ場も強烈に美しい肉体を惜しみなく開放していますが、いかんせんその扱いはやたら雑。突き飛ばされるたびにスカートが物理法則を無視するほどめくれ上がったり、とりあえず脱げるところは全部脱いどけみたいな大安売りヌードはもったいなかったです。

くたびれた夫婦が苦難を乗り越えて互いの愛を確かめ合ってめでたしめでたしみたいな話にしなかったのは良かったですが、どうにも強引な展開が多く(最後の不良があまりにも悪すぎる等)、全体的には大味な映画でした。昭和のブラウン管時代にときどきやっていた「お父さんが見る映画」。
エンニオ・モリコーネによる哀愁漂う音楽は良かったです。
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