ふしみあい

光る眼のふしみあいのレビュー・感想・評価

光る眼(1995年製作の映画)
3.6
街一個単位で人が失神する、という発想。そしてそれを形にする手腕。メイキング見るの楽しいやつだ。

寂寥感のある地味な田舎町の描き方がすごくうまい。登場人物の服の色とかもとても地味で、画面が全体的に薄茶。
そこに彩度低めの子供達9人。
白髪にグレーの服、揃って歩き、大人びた口調で話す。
そういう非日常的な、気持ち悪さとか、違和感みたいなのはカーペンター感がすごく出ていた。

街という限定された空間で事件が起こって行くのもいつもの手法。しかし今回は個性的なキャラがおらず、音楽もあまり印象に残らないものだった。好きなんだけど、他のカーペンター作品に比べると個人的にはインパクト弱い。話はすごい好きなんだけどなあ。見せ場があんまりないのかな。

ラストシーンのデイヴィッドの無表情さが怖い。何を考えているのか、本当の悪はこの子なんじゃないか…物語の続きを観客が考えてしまう、余韻がすごいラスト。やっぱりカーペンターだなあ。