ふしみあい

ワンダーウーマンのふしみあいのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
3.5
パティ・ジェンキンス監督が女性監督として女性がヒーローである映画を撮った。そして女性差別や女性が立ち上がることが根底に流れている映画だとかなんとか大絶賛されていたのでめちゃくちゃ期待して鑑賞。

うーん…という感じだった。ガル・ガドットはめちゃめちゃ綺麗。身のこなしも軽くてアクションも華麗で迫力がある。
でもなんとなく物語の設定がふわっとしているような気がした。敵である軍神アレスが、ワンダーウーマンが思い込んでいるだけで本当に存在するのかどうかもわからない、という作り方は、最近観た映画「バニーレークは行方不明」に通じるところがあると思う。
そこまで引っ張るのは良い、しかしアレスが出てきてから急に勢いが落ちる。

本来近接戦闘が得意であるはずの彼女が、ゴッドキラーvsゴッドとしての戦いになり、イナズマバリバリとか、両手で戦車とか地面とかを、なんかよくわからない力で引きつけてぶつけるとか、だいぶ冷めた目で見てしまった。最終決戦でそれだから全体としての印象も悪くなる。

クリス・パインの役所はとても良かったが、ワンダーウーマンと一夜を過ごす描写はいったのか?とか細かいところに目がいってしまう。

また、たしかに女性だからという理由でワンダーウーマンが軽視されたり、差別されたりするシーンはある。しかしどれも中途半端な感じで当時の社会を知らないワンダーウーマンからの目線だからしょうがないのかもしれないが、そういった演出をしているだけで、女性差別と戦う映画、と評されるのは間違っている気がする。

戦闘に入ってスローモーションになる演出も最初は面白かったが、多用されすぎてちょっと食傷気味。