グリフィン

シマロンのグリフィンのレビュー・感想・評価

シマロン(1931年製作の映画)
4.6
初見。字幕。
アカデミー作品賞振り返りシリーズ

オクラホマ西部開拓の歴史と共に1組の夫婦の波乱万丈な人生を描く。

映画序盤、未開拓の土地獲得競争の場面でまず観客を惹きつけますね。アメリカンドリームを夢見て一斉に猛スピードで馬車を走らせ土地を次々に獲得していく。開拓者スピリットを感じさせるにふさわしい壮大さに圧倒されました。

血の気の盛んなオクラホマにおいて夫婦の開拓生活はスタートする。
夫のヤンシーは行動力旺盛なアメリカ実業家といった印象を受けた。街を発展させるために尽力をとにかく惜しまない。名を上げていっても現状に満足することを嫌い次の成功を求めて放浪しにいってしまう。自分の信念を曲げることは決してしない。僕からすると強いアメリカの礎を築いた象徴みたいな人物です。俺たちの国の開拓者はこんなに強かったんだぞとアピールしてるような人物像に見えました。

ただ実質的主人公は夫を陰で支える妻のセイブラと言えます。西部劇であるとともに妻を視点に家族や街の発展を様々な出来事と共に振り返る人間ドラマです。妻からすれば夫は今で言うインフルエンサー(大きい影響を与える人)みたいなもの。影響を与えられる側を視点にして描くことで作品に深みが増してると思いました。見守り支える人がいたからこその西部開拓史、この捉え方が好きですね。

インディアンとの共存というテーマも織り込まれており社会派な一面も垣間見れます。なかなか先見性のある作品とも言えますよね。時代を先取りしてる。

かなり見ごたえのある作品でした。当時はあまりヒットしなかったらしいが一見の価値アリだと思います。
嫌な言い方をすればアメリカの自画自賛みたいな映画でもあると思います。自分たちはこんなにも凄いんだぞっていうね。でも映画内とはいえオクラホマの街が短い期間ですさまじく発展する様子は思わず感心しちゃいますよ。やっぱアメリカはとんでもねく偉大な国ってことなんでしょう。

良くも悪くも行動力が桁違いよな国も人も。ヤンシーの奥さんほったらかしは良いんだか悪いんだかおいらはわからんよ。
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