マヒロ

サンタ・サングレ/聖なる血のマヒロのレビュー・感想・評価

3.5
母が学生時代に3回も劇場に通ってみた作品だ、と激賞してきたので鑑賞。

サーカスの団長で呑んだくれ&浮気性の父と、ヘンテコな宗教にドップリはまり込んだ母の元に産まれた少年フェニックスは、とある大惨事を目の当たりにしたことから精神を病んでしまう…というのが前半。
後半からはガラッとテイストが変わって、青年になってもそのトラウマに囚われたフェニックスが思わぬ行動を起こしていくんだけど、言ってしまうとここからはほとんど王道スラッシャー映画。ホドロフスキーと言えば自分の中で『ホーリーマウンテン』の鮮烈なイメージが根強かったので、意外にも普通なお話になっていってしまったのはちょい残念。所々、いきなり耳を引きちぎる男とか超マッチョな女性とか、ビックリ人間要素みたいなものもあるにはおるんだけど、とって付けたような感じも否めず。

まぁ、ぶっ飛んだものを期待すると若干肩透かしなところはあるけど、スラッシャームービーとしては凡百の映画の中ではよく出来ている方で、ラストでフェニックスが呪縛から解き放たれる一連のシーンはなかなか泣かせられたりもした。

ところで、主役のフェニックスを演じてるのが監督の息子であるアクセル・ホドロフスキーなんだけど、顔立ちがあまりにもクリソツすぎて思わず笑ってしまった。映画のテーマと同じく、血は抗えないもんだなぁとしみじみ。

(2016.14)
マヒロ

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