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あゝひめゆりの塔のNMのネタバレレビュー・内容・結末

あゝひめゆりの塔(1968年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

戦争映画を観るならこれはおすすめです。
吉永はじめ若く美しい少女たちが戦争に直面し翻弄され散っていく物語。
歌の場面が多く、特に吉永が一人で歌う場面は圧巻。暗い洞窟でもんぺ姿でもこの美しさ。
もちろん凄惨なシーンもあるけどグロによるショックだけに頼らずに戦争の暗さを描いている作品。


沖縄師範学校女子部の生徒たち。
みな無邪気だが真面目でともに勉学に励んでいた。
やがて米軍は沖縄へ上陸。戦況は一気に危機的。
日々やってくる空襲の間をくぐり抜けて走る状況に。

生徒たちはみな野戦病院で看護に奉仕することになり、泥穴の中で資材もないなか精一杯けが人たちを世話し励ます。
しかし米軍が進軍してきたので4千人の患者のうち歩ける者は移動、残った者たちは青酸カリを飲んだ。

極限の精神状態のもとで、自決を選ぶ者も、心が折れてしまう者たちも続出。そして敵弾に倒れる者も一人また一人と増えていく。

校長が命に替えて持ってきたのは看護隊の解散命令。生徒たちは最後まで残りたがったが校長の意思を汲んで北方へ出発することに。
しかしもう米軍に完全包囲されている。
洞窟から第一班が出ていったが、途端に空爆が降ってきて洞窟の中までガス弾が入ってきた。
洞窟で生き残った二人の生徒は、戦争は終わったので出てきてくださいという米軍のアナウンスを聞くが信じず、自分たちの最後を悟った。
断崖に立った二人は手榴弾のピンを抜いた。
散った生徒1593名、引率教師92名。

みな若くて健気なので、この少女たちが次々と希望を奪われ怪我をし仲間が減っていく様子が見ていてつらい。
個人的には不潔な洞窟のなかで泥まみれになって風呂もトイレもろくにないような暮らしをするのを見ていると、本当に戦争は嫌だと心から思った。
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