Kamiyo

とまどいのKamiyoのレビュー・感想・評価

とまどい(1995年製作の映画)
3.8
1996年"とまどい"監督 クロード・ソーテ
脚本 クロード・ソーテ  ジャック・フィスキ

良かったんだけど、期待通りの予想裏切らないフランス映画。曲がり角をずっと左に曲がったら同じ場所に戻ってしまうの、でもいいの。って感じなところがどうもね。
映画を観た限り、「とまどい」と言うよりは確かに「躊躇」と言う方が近いと思う。

経済的問題を抱えていたネリー(エマニュエル・ベアール)の夫ジェローム(シャルル・ベルラン)は失業中で職に就く気すらなく、彼女がパートで家計を支えていた
親友ジャクリーヌが昔の愛人ピエール・アルノー(ミシェル・セロー)を紹介、アルノーは滞納した家賃分の金を融通しようと言う。ネリーは夫にこの話をするが、彼は特に咎めもしない。ネリーは夫と別れる決心をし
借金返済と離婚を決断し、自叙伝を執筆中のアルノーのためにワープロのオペレーターを始める。

アルノーは自分のことは語らないネリーに苛立ちながらも
二人のコラボレーションは成功でアルノーの恋心はつのる
ネリーは美しく聡明なだけでなく
その自立心やかたくな所にも自分と同じ属性を感じる
人生の晩年に出会った この年の離れた異性ネリーに動揺も隠せない 自分の魂のもう片方だろうか?
ネリーは彼との楽しく、贅沢な晩餐のあと
興奮さめやらず編集者のヴィンセントと夜を共にする
(彼はアルノーの代替か?)
アルノーの方は台所でひとりミルクを飲む(悲)
ヴァンサンとの関係を嫉妬する心をじっとこらえます。

そして別れは突然やってくる
アルノーはが切なさに耐えきれず
終止符を打ったようにも
ラブ・ストーリーといっても、ネリーとアルノーは、プラトニック。年齢差を踏まえた上で、常にお互いを意識し、お互いが引かれていることが伝わってくる。

普段から、どことなく憂いを感じさせる表情をしているエマニュエル・ベアールが、まさに適役。
独特の切なく悩ましさ持った美しさが光っていた。
紳士役のミシェル・セローも渋くて清潔感があって、
若い女性に恋をしてもイヤらしさを感じさせないところが良かった。

アルノーと出会って別れた後のネリーの人生はどんな風になってゆくのでしょうか

この邦題「とまどい」は、もしかしたら、観終わった
観客を戸惑わせるから、こういうタイトルなのかもしれません。(笑)
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