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クレイドル・ウィル・ロックのtorakoaのレビュー・感想・評価

3.7
実話ベース。元になってるエピソードを『ザ・ディレクター 市民ケーンの真実』鑑賞後、オーソン・ウェルズWikiに目を通してて知り、映画になってるのも知り、俄然興味湧いて借りた。

この時代も実在した人々もよく知らないし、オーソン・ウェルズは未だオーエン・ウィルソンとごっちゃになる名前の人という認識のままだったりするが、それで困る作品でもない。知ってたほうがより楽しめるとは思うけど。やっぱり独善的な人だったんだなー。新聞王ハーストも出てくる。

最初の音楽から好みだし劇中ミュージカル曲も好みっぽいし群像劇だし素敵俳優多数だし、興味深く眺めてられた。
ミュージカルの構想練ってる作曲家の脳内イメージが出てくるのと劇中劇がそうなだけで、この映画はミュージカルという訳ではない。苦手でも敬遠する程ではないと思う。

主役が判然としない群像劇で登場人物も多く雑多な印象、派手な演出もないしで把握はしづらいが、人物を混同することはなかった。当時の時代背景が重要であり群像劇であることに意味がある話だと思うので、混同しづらいように配慮したんじゃないかと思う。

画家の人の場面とかそっち方面は知ってる人向けにできてる感じで冗長に感じた。正直絵のやり取りとかはイマイチわからなかったので、そこらの説明はもう少し早めに出してくれたほうがよかったし、もう少し人物絞ってスッキリめにしてくれたほうがよかったな。ビル・マーレイの役は最後らへん意味がよくわからなかった。

ヴァネッサ・レッドグレイヴさんジョーン・キューザックさんチェリー・ジョーンズさん、好ましい容姿なのもあるが程よく品と知性と愛嬌があって佇まいとか醸し出す空気感みたいなのが何か眺めてて心地いい。
チェリー・ジョーンズさんの役とその周囲の会話は好きだった。言いたいことはこの辺に詰めてるんだろう。そこからのクライマックスで希望があるし盛り上がる。ラストちょっと冗長な感じだけど。

エミリー・ワトソンは歌唱力凡人すぎるとこが役の説得力欠いてるなー。
吹替は歌も吹替で鈴木ほのかさんが当ててるし、複数人が喋る場面も散見するので吹替版も併せて見たほうがいいかも。石川禅さん歌わない役だったのかー。劇中劇では別役やってたりするかなー。
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