滝和也

名探偵コナン 紺碧の棺の滝和也のレビュー・感想・評価

名探偵コナン 紺碧の棺(2007年製作の映画)
3.3
こんな観光地は嫌だ!

サメがうじゃうじゃいる。
犯罪者がいっぱいいる。
観光と犯罪が紙一重。
美人女将がおばちゃん…。

駄目だこりゃ!

「名探偵コナン 紺碧の棺」

冒頭に入る予告編でミステリー・アドベンチャーと言った瞬間にまずいと思ったが…(笑)

ルパンと不二子のマスクをした強盗を追う佐藤、高木刑事の二人。壮絶なカーチェイスの後、捕まえた犯人が口にした神海島の名前。後日、バカンスでその島に来たコナン君たちいつものメンバー。その島には二人組の女海賊が残したお宝が眠ると言う伝説があった。近くの海中には海底神殿とされた建造物も…。コナン達は島の住民、そしてトレジャーハンター達と共に事件に巻き込まれて行く…。

海賊の宝探しと言うアドベンチャー要素が強い作品となっているが、実はこれがまず大きな間違い…。第3作以来の筋立てだが、コナン君との相性がすこぶる良くない…。まだ第3作はこの手に馴染む怪盗キッドがいたから、まだ良かったのだ。日本国内で外人さんの残したお宝とは食い合わせが悪すぎる…。コナン君が海外に行けない弱点があるにしろ、無理筋すぎるのだ。ワンピースやパイレーツ・オブ・カリビアンの人気にインスパイアされたとしか思えない。リアルな日常に存在する異分子であるコナン君、そのギャップ萌がないのだ。また、危うくグーニーズになりかねなかったし…(笑)

しかも…お宝の謎や犯人探しも簡単過ぎてミステリーとしては極端に弱い。故に犯人やトレジャーハンター全員が無能すぎる様に。キャラも薄くなってしまう原因に…。もうひと手間入れて、別人がお宝を盗んだのなら、話はわかる…。

またサメがうじゃうじゃ出てくる島に観光地は無理(笑) ぬるいサメものの要素がはいっているのも残念。欄姉ちゃんと園子が人質になるのもいつもながらの感が強く、真一との絆シーンも作りがそうじゃないだろ!と言う雑さ。

コナン君自体のアクションもラスト近くにあるだけ…。アクションのヤマはあまり意味の無い、オープニングのカーチェイスだったりする(T_T) またルパンとの共演時のキーとなるので意味がそっちにあったり…(笑)。

オールスターの後で、TVの通常メンバー以外今回は誰もが出てこないため、更に地味さが増してくる…。

どうやらこの辺りの作品は低迷期の様子。既にあるコナン世界の枠組みはしっかりしているので全くつまらないわけでは無いのが救い。金田一と同じで、コナン君さえいれば全てが何とかなる(笑)では…次行ってみよう(笑)
滝和也

滝和也