香港からバルセロナにやって来た、仲良し三人組。
トーマス（ジャッキー・チェン）とデビッド（ユン・ピョウ）は移動販売屋台を、モビー（サモ・ハン・キンポー）は私立探偵を営んでいる。
スリをくり返す美女と知り合った事から、伯爵家の遺産相続争いに巻き込まれていくのだが…。
スペインが舞台で、多少は香港映画の泥臭さは中和されているものの、ストーリーは単調で、物語としての盛り上がりには乏しい。
『プロジェクトＡ』や『WHO AM I？』のような、ヴァリエーションも量も豊富なアクションが詰まっている訳でもないので、前半はちょっと退屈。
なんか、観客よりも出演者の方が楽しんじゃってるような映画。
その浮き浮きした高揚感が伝わっては来るので、それほど悪い印象は無いけれど…。
最大の見せ場は、クライマックスのジャッキー・チェンv.s.ベニー・ユキーデの対決。
ジャッキー映画史上でもベスト級の格闘シーン。
ユキーデの高速の蹴りの風圧でキャンドルの灯が吹き消されたり、お互いの突きがズシッとボディにめり込む様子とかがバッチリと捉えられていて、痛そうで、重そうで、速いバトルを堪能させてくれる。
『ドラゴンへの道』のブルース・リー対チャック・ノリス戦に匹敵する名バウトだと思う。
このシーンを体感するだけでも、価値のある作品。
