カテリーナ

冒険者たちのカテリーナのレビュー・感想・評価

冒険者たち(1967年製作の映画)
3.6
マヌーとローランド は少し年の離れた親友同士その男ふたりの前に 前衛的な芸術家のレティシアが現れる
マヌーはパリにある飛行クラブの教師で
ローランドは車のエンジン開発の研究に忙しい
マヌー、ローランド、レティシアの3人は
皆、夢を追いかけそして夢に破れ
奇妙な連帯感と友情で結ばれる
レティシアの個展の批評が新聞に載るが
自信たっぷりだったにも拘らずどれも芳しくない批評に傷つくレティシアを慰めるマヌーとローランドは
まるで自分の事のように悲しい顔
自尊心を傷つけられて世間から認められない孤独感や疎外感に打ちのめされても
その辛さを分かち合い 更に絆を深める3人
その勢いのまま 地中海にある富豪が
海底深く財宝を沈めたと噂を耳にし
冒険の旅に繰り出す

気ままに過ごす船旅の様子が本当に楽しそう 地中海の透明な波の煌めき
レティシアの若々く美しいビキニ姿にため息 マヌーを演じるアラン・ドロンの無精髭
と少し乱れた前髪 精悍でハンサムな姿には更にため息 このシーンでは3人が一番幸せだったに違いない キラキラと輝く笑顔や太陽の光が眩しいのだ

そこで手に入れたものと
失ったもの

男ふたりと女ひとりの図式は
沢山の映画で描かれて その行方は
ありきたりだけど それでも
男同志の友情の刹那さや甘酸っぱい恋心は
新鮮に鮮烈に私の胸を打った

レティシアの淡い恋心よりも
マヌーについた嘘のローランドの
思いやりの方が心に残る
カテリーナ

カテリーナ