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サン・スーシの女のharuのレビュー・感想・評価

サン・スーシの女(1982年製作の映画)
4.0
亡命の歌。

人権擁護団体の代表を務めるマックスは、仕事の流れで、とある人物に出会う。今はパラグアイ大使であるその人物に、マックスは銃を突きつけ引き金を引いた。駆けつけた妻に、マックスは自身の過去を語り始める。

ロミー・シュナイダーの遺作。「離愁」や「追想」に続き、題材はナチスです。ジャン・レノがチラッと出てます。ロミーはマックスの妻リナと、マックスの育ての母エルザの2役を演じています。やはりレストランでマックスのバイオリンを聴きながら、一筋の涙を零すエルザが一番印象に残りました。
ストーリーとしては、マックスの憎しみは50年経っても消えなかったということなんですが、「よくやった」とか確かに正直な気持ちなんだと思います。しかしラストのテロップこそ現実。やられたからやり返したら、またやられたのでやり返す。残念ながらまだ終わりは見えません。
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