haru

さよならの朝に約束の花をかざろうのharuのレビュー・感想・評価

3.0
新たな「別れ」と出会うために。

仲間と共に静かに暮らす不老の民イオルフは、彼らの長寿に目をつけた人間たちに襲われ、一族のレイリアが攫われてしまう。一方何とか逃げ出した一族のマキアは、道中で人間の赤ん坊を拾う。彼をエリアルと名付け、人間たちに紛れて生活するマキアだったが、成長したエリアルは、いつまで経っても老けないママに複雑な気持ちを抱くのでした。

「別れの民」と呼ばれるイオルフ。彼らより先に死ぬ人間と共に生きれば悲しい別れを何度も経験しなければならない。ということで自分たちだけで生きていくルールを遵守するイオルフなのですが、突然の襲撃により、マキアは仲間と離れ、人間たちと暮らすことに。そして自分を「ママ」と慕うエリアルを母親として育てていこうと決意する。
ちょこちょこ泣いといてアレですけど、全体的に物足りなかった。マキアが大好きなエリアルが、思春期を経て家族を持った後にマキアに対する気持ちがどのように変化したか、エリアル目線でやってくれたら、私は滝のような涙を流した予定…!このあたりが意外とあっさりというか、現実はこんなもんなのかも知れませんが、せっかくのファンタジーだし、もっと大袈裟にやっていただいても全然良かったです!
その分レイリアが闇堕ち。突然拉致され、軟禁され、ずっと一人ぼっちだったレイリア。我が子に会うことも許されず、孤独感を募らせていき、中盤完全にダークサイドに堕ちる。後半が思わず「待ってくれー!!」と叫びたくなる展開でしたが、いや良かった…!
「出会わなければ良かった」とは思わないけど、やっぱり「別れ」はメンタル削ると思うので、生涯に何度も経験したくはない。
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