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THE WAVE ウェイヴのkのレビュー・感想・評価

THE WAVE ウェイヴ(2008年製作の映画)
3.5
これが実話だってんだから恐ろしい。実際にこの授業が行われていたのはアメリカだが、映画はドイツが製作した。おかげでもうナチスを描いているようにしか見えない。

ストーリーは、何気ない「独裁」について学ぶ授業で、徐々に「独裁」が苛烈していくお話。みんな頭ではナチスやファシズムはいけない! と分かっていても知らないうちに全体主義に傾倒している、という恐怖を描いている。授業の初めに先生の名前にに“様”をつけて呼べっていうのは笑ったけども、それ以外での服装を統一するだとか、集団に名前をつけるとか、マークを決めるとか、どれも言われればやってしまいそうなほど違和感がない。私はそれで気がついてはっとしたんだが、要は日本の義務教育と同じだな、と。それぞれの学校には決まった校章や校歌があり、教師には“先生”をつけ、みんな同じ制服を着て、勉強している。当てつけかもしれないが、いやはや恐ろしい。当然ながら、それがファシズムだよ、と言われても恐らく信じようとはしないだろう。

ウェイヴの中から一人立ち上がったカロの行動力は、右に倣えが一般的な日本人からすると、とても尊敬に値する。ぜひ見習いたい。
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