mimitakoyaki

パリのランデブーのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

パリのランデブー(1994年製作の映画)
4.3
アマプラ見れるってことに今日気付いて、どんなんあるんか眺めてたら、ロメールがあって感激!
他にもホンサンスとかカウリスマキ とか、わたしの好きな作品があって、Netflixにはその系が少ないから、めちゃくちゃ嬉しくて、しかも今日でロメールの配信も終わるっていうので、駆け込みで観ました。

ほんとにホンサンスとの共通点が多くて、ホンサンスのヘンなズームもロメールから来てたんだってわかって嬉しかったし、ロメールの方はパリなだけに小洒落てるけど、下心丸出しのナンパ男や浮気男のアホっぽい生態は両者共通。
ロメールの方は、さらに女の方の拗らせっぷりもなかなかのものです。

本作は3話構成になってて、どれも好きなんですけど、2話目の拗らせ女と振り回され男が延々散歩しながら喋りまくる話もさすがです。
この女の子もイヤイヤ期か!ってくらいに何もかも気に入らなくて、文句ばかりで共感力とか協調性とかないのに、前と言ってることが違ってて何かとブレる気分屋だったりして、ほんとにヤヤコシイんですよ。

でも、こういうヤヤコシさ、なんかちょっと心当たりというか、分かる気がするし、自分のヤなところを鏡で映されたようなバツの悪さも感じたりもして、そういう細やかなリアリティや生々しさを会話の中で見せるのがほんとに巧みでたまらないです。
そして、それがただのだらしのないクズ男や嫌な女として描かれるなら見てられないんでしょうけど、ちゃんとユーモアがあるから、セリフや行動が人間くさくて憎めないんですね。
それが多分なんだかんだでこのダメな人達が好きで見てしまうんだろうなと思います。
そんなところもホンサンス作品と共通してます。

あと、パリの公園や路地がほんとに素敵で、こんな所を散歩できるなんて気持ち良いだろうなって憧れます。

3話目のナンパ男の行動もめちゃくちゃ引くけど、きれいな女性の気を引こうとピカソに関するうんちくを傾けるところとか、男の身に起きる結末とか、イタイやら笑えるやら。
さらにそこからの男の最後の一言が全部持ってって、いや、ほんとに面白いなって満足感がありました。
なんとも味わい深い作品でした。

もっとロメール作品見たかったのに、配信が終わるのが残念過ぎます。
またやって欲しいものです。
あー、もっと早く気付けば良かったな…

59
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