great兄やん

ソナチネのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
4.6
【一言で言うと】
「今際の“夏休み”」

[あらすじ]
組長からの命令により、沖縄にある中松組の抗争の助っ人として舎弟たちと共に沖縄へと出向いた村川。しかし、抗争は収まるどころかますます悪化。事務所を爆破された村川たちは、海岸沿いの空き家へと身を隠すことになる...。

とんでもない傑作。
やっぱり北野武作品のあの雰囲気、メッチャ好きだわ…

『HANABI』を観た頃はあの世界観にただただ振り回されるばかりでしたが、今作に至っては世界観が本当に独特過ぎてまさに快感の域。
大きなドンパチが起こったかと思いきや次のシーンでは砂浜で相撲してはしゃぎあってる...このギャップが異常に心地よくてたまらない。

まさしく“静と動”のオフビート。この水と油のような世界観を丁度いい塩梅に操れる人ってたけし以外ありえないのでは(゚o゚;;...

それに沖縄で組員とダラダラしてる静かなシーンと銃撃戦などの動きのシーンとのメリハリがちゃんとしているのも良いし、たけし演じる村川がしっかりブッとんでるキャラクターなのもメチャクチャゾクゾクする。
特に花火の撃ち合いに便乗してチャカブッ放すシーンがもう最高にイカれてて爆笑しましたね🤣🤣

それから音楽も流石天下の久石譲。彼の彩る音楽からしてあまり似ても似つかないイメージがあるけど、何故ここまで綺麗にマッチするんだ...凄すぎるだろ(^◇^;)

とにかく全体的にはかなり深刻でハードなストーリーなんだけど、そうは感じさせない緩さのギャップに痺れる、まさに“北野武”ならではの映画でした。

超極端に言えば今作は“ヤクザ映画”。
それでも北野武の死生観といい、なぜかドンパチなどの極道という泥臭さに“神秘的”な何かを感じてしまう...こんな稀有な作品を作り上げてしまうのも北野武の“才能”なんでしょうね😌

世界が特に絶賛するのも納得の一作。
確かにこんな映画どの国でも作れないと思う😅