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少女〜an adolescentの消費者のネタバレレビュー・内容・結末

少女〜an adolescent(2001年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

破天荒でデタラメながら地元で慕われている警官、友川
彼が喫茶店で昼寝しているとある少女に起こされ売春の誘いを持ちかけられる
名を名乗らない少女に友川は“眉子”というあだ名を付け関係を持った後に2人は別れる
その時の事が忘れられなかった友川は帰宅中の女子校生や援交少女達の中に彼女がいないか探し回るが見つからない
そんな時、地元で彼が目をかけていた男がシンナーでトんだまま車を運転し事故死する
男の遺体を見に行くと彼に死化粧を施すあの時の少女が…
彼女の名は陽子、友川も親しい葬儀屋一家の娘であり警官になった時に刺青を入れてもらった彫り師の孫だった
そして彼女は中学生だという…
再会を果たした2人は警官と中学生という禁断の愛に溺れていき…
というあらすじ

中年警官と少女の恋愛という禁忌と倒錯を描いた作品だが周囲の登場人物も含めて常識外れな者ばかりである為にそのテーマがブレている様に感じた
陽子の祖父が彼女の裸を覗いたり彼女に刺青を入れたがる事や街の男衆が女子高生を買春する事、陽子とその兄である知的障害を持つ助政に銃を撃たせる事等はそこまで咎められないのに婚姻可能な年齢を目前にした少女との恋愛はタブー視されるというのが線引きがよく分からない
常識から外れた禁断の愛を描くのなら社会の倫理という物がもう少し絶対的な物として提示されているべきじゃなかろうか
そして陽子が友川に惚れている理由は彼の人格や彼女への優しさなども勿論あるのだが何より子供達を省みず自分勝手な生活を続ける母と陽子が望まないのに関係を強要する継父などの家庭環境に居場所を見出せない事から承認と愛を求めていたというのが大きいだろう
それもしっかり描かれている以上、中年男性との恋愛関係は純愛と言えるのだろうか

ただめちゃくちゃな人間ばかりで倫理観もまともに働いてない街の人間模様は不思議と魅力的に感じられる部分もあった
そして何より良かったのは陽子を演じる小沢まゆの不思議な色気を感じさせる姿
男女の深い絆の例えである友川の背中に彫られた片翼の鳥の刺青のつがいの模様を背中に背負った姿も美しかった

しかしそれなりに評価しておいて何だけど2001年の作品でこの内容が倫理的に許されていたのは驚いた
消費者

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