ラストシーンが何か美しさを感じる。
とても楽しいコメディ。

自殺志願者が殺し屋に自分の殺害を依頼するが…というよくあるパターンのドラマなれど、キートンやチャップリンなど往年の喜劇映画をほどよくそれでいて細かくオマージュしたドタバタ演出と三木のり平の軽妙な喜劇演技によって楽しく見られる佳作に。そして何よりヒロイン吉永小百合(15歳！)の「天使」という敬称がぴったりなキュートさを見れるだけで眼福、また単なる添え物ではなく意外と活躍していたのも嬉しかったり、吉永小百合のファーストキスも見られます。

殺し屋に命を狙われるも(ただし保険金による支払いのため事故に見せかけて殺さなければならない縛りつき)運良くことごとく回避していくため次第にことが大きくなり全世界殺し屋協会のターゲットにされ次々と命を狙われる羽目になる『ルパン三世　Dead or Alive 』みたいな展開が笑える。間一髪命が助かる→安全な場所へ逃げようとする→そこにも魔の手がというテンプレな流れも矢継ぎ早にテンポ良くやっているのでどんどん笑いがこみ上げてくることに。終盤の『ロイドの要心無用』をオマージュしたギャグとハラハラが交錯する落ちれば命が無いビルでの追いかけっこも最高。

タイトルを具現化したようなオチも小粋でいいね。

本家日活アクション映画を知っているとニヤリとさせる金子信雄の活躍や、まだブレイク前の左とん平も見所。

あの吉永小百合の15歳のウェディング姿が観れるだけでなく三木のり平に奪われたファーストキスも観れるんだから吉永小百合オタクには必須映画か。それよりタイトルの良さだけで5億点。井田の最高傑作「青春を返せ」並みに良い。殺し屋に自分の殺害を依頼するが殺し屋の襲撃を幸運で返り討ち、アキカウリスマキ「コントラクトキラー」と一緒の設定。またキートンやロイドのオマージュもあるのでちゃんと海外映画の研究もされており、「トップ屋取材帖」シリーズの細かい小道具や得意のサスペンス展開など裏付けされた実力が発揮されている。DVD化されてても良い1本…

• #2018〜