りんと

レクイエム・フォー・ドリームのりんとのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

映画好きのフォロワーさんにオススメされて視聴しました。4人の男女が、些細なきっかけで手を出してしまったドラッグによって、それぞれの形で崩壊していくストーリーは、坂道を転げ落ちていくようにあっという間で目が離せず、視聴後の虚無感、脱力感が半端じゃなかったです。

同時に、主観俯瞰視点のカメラ切り替えや画面の分割、映像の繰り返し、BGMや効果音の誇張、血流や瞳孔の収縮など、鑑賞者の認知を混乱させるような演出が多く、ストーリーとは別側面からドラッグの危険性についてアプローチされているように感じます。

「レクイエムフォードリーム」訳すと「夢への鎮魂歌」。この作品で描かれているのは、一時の夢をみるために人を辞める選択をした人物達ですが、この作品に、死者の安息を願って捧げられる"鎮魂歌"というタイトルがついているのは、この映画に登場する人物のように『ドラッグを使って人生を壊してしまった人たち』への慰めを示しているのだろうかと、素人ながらに思いました。

であるならば、この映画は、まだドラッグの恐ろしさを具体的に知らない人はもちろん、逆に今まさに薬物療法に励まれる方にも見ていただくべきなのかもしれません。他の方の感想にもありましたが、下手な教育ビデオよりも恐怖感と生々しさが描写されて説得力があると拝察しましたので、講習などで視聴できる機会があったら良いのではないでしょうか。
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