りんと

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!のりんとのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

言わずとしれた超名作。今回見直して、本編40分しかないとは思えないほどの満足感でした。
同じく細田守監督が手掛けた「サマーウォーズ」とよく比較されますが、圧倒的にこっち派です。
デジモン見てた世代は皆そうだと思いますが、なぜなら終盤のオメガモンの存在が大きすぎます。あの土壇場での合体はカッコよすぎて……泣

もちろん、本編中に描かれる当時のインフラやインターネット、死ぬほどデカかったブラウン管のパソコンなど一抹の懐かしさはありますが、それを基盤にしたストーリーに古臭さは全く感じません。むしろ、全く同じストーリーで「サマーウォーズ」という形でリブートされているあたり、むしろ時代の先駆けだったかもしれません。
特に、パソコンをフリーズさせてディアボロモンを倒し損ねた太一のもとへ、世界中からバッシングのメールが届くあたり、TwitterやInstagramなど気軽に繋がれる現代のSNSでのやりとりを彷彿とさせます。

あとはお気に入りの部分をつらつらと。
まず先述のオメガモンの合体シーン。これは、日曜9時にテレビに齧り付いていた世代ならもれなく感動できるのでは。TVアニメで紆余曲折あったウォーグレイモンとメタルガルルモン、主人公サイドの主軸たる2体が合体…こんなにアツい展開があっていいのかと。
そして、インフェルモンとディアボロモンのデザインと演出が、今見返すと強烈に不気味で最高でした。繭にコードが付いたようなインフェルモンと、手足が異常に長いディアボロモン。他のデジモンと出自が違う異質さが、デザインに現れている気がします。
また、初音ミクなどの電子音声が当たり前ではなかった当時、NTTに潜り込んだインフェルモンから「も し も し」とつぎはぎの音声でかかってくる電話は、なかなか気味の悪い描写でした。あとは進化中に攻撃するというアニメ版ではありえないタブーをやってしまうあたり、常識の通用しない敵であるという視聴者に対してのメタ的な意味も込められていたのかなぁと思いました。

正直、この映画を小学生の時に見てしまったが故に、以降自分の中での"アニメ映画"というもののハードルが全体的に高くなってしまった感は否めません。それほどまでに、いつ見ても色褪せない名作として印象深い映画となりました。
りんと

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