しめじろー

メガマインドのしめじろーのレビュー・感想・評価

メガマインド(2010年製作の映画)
4.4
アンパンマンとバイキンマンは今日も今日とて交戦中。しかし、偶然にも弱点を突いてしまい、バイキンマンはアンパンマンをぶっ殺してしまう…。やばい!どうしよう!俺明日から何すればいいの…?みたいな話。
ドリームワークス製作の3DCGアニメーション。全体的に面白おかしくハイテンションですが、題材はかなり深刻です。悪役・メガマインドが幼い頃から虐げられて悪役になっていく経緯も、子供が駄々をこねるかのごときその悪行っぷりも、そんな彼がヒーローを失ってから取る行動も、すごい切ない。「なんかわかるなあ…」「寂しい奴だな…」としんみりしながら見てしまったのでした。私もみんなに選ばれるような子供じゃなかったから…教室の隅にいるような陰の者だったから…。しかし繰り返すようですが全体的には面白おかしくハイテンションで、楽しく見れます。
そして物語が進むと、ヒーロー側の苦悩なんかも出てきてまた面白いです。メガマインドはヒーロー不在に耐えきれなくて、その辺の奴をつかまえて新しく別のヒーローを作り上げるんですね。それで新ヒーローになってもらうべく特訓をする。でもこの新ヒーローがダメダメで、こんなことしてられないって言うんです。24時間ボランティアで街のためになんてやってられないって。メガマインドが街で暴れても、なかなかやって来ない。アイツはすぐ来たのに!アイツも大変だったんだな…。みたいな。笑 ヒーローと悪役の境目がどんどんなくなっていきます。
そんなわけで、ヒーローとヴィランの関係をメタ的に料理しつつ、最終的には卑屈な陰キャが自分の殻をやぶるお話です。ラストもすごく気持ちいい展開!マイケルジャクソンの『Bad』にニヤリとさせられます。とてもおもしろかったです。おすすめです。

ちなみに、冒頭でぶっ殺されるヒーロー・メトロマンの声はブラピが担当しています。(全然わかんなかった…)