【1996年キネマ旬報日本映画ベストテン 第1位】
『シコふんじゃった』などの名匠周防正行監督作品。キネ旬を始め日アカ14冠など国内の賞を独占、アメリカでも日本の実写映画として歴代一位となるヒットを記録、放送映画批評家協会賞外国語映画賞を受賞するなど国外でも支持された。
素晴らしいロマンティックコメディ。動機は不純なものであっても、相手を信じること、それでこそ真の芸術ができるということを教えてくれる。
全く退屈させずに日本映画が苦手とするロマンティックコメディというジャンルを成功に導いた周防監督の手腕は称賛されるべき。
役者もみな素晴らしく、ラストの草刈民代の輝きは眩いばかりだし、竹中直人と渡辺えりのコメディ演技も素晴らしい。
実にスッキリとした気持ちのいい演出が行き届いており、カメラワークも最大限の効果を発揮している。
惜しむらくは原日出子演じる妻と娘への回答がそれでいいのか、という気がする。今ならもう少し「妻」という役割に閉じ込められた側の視点が必要な気がする。
