おむぼ

コレクターのおむぼのレビュー・感想・評価

コレクター(1965年製作の映画)
3.8
 自らの好きなものや行い、仕事の出来も何もかも、他人から認められずに屈折した、しかし誰かに認められたい顔の良いだけの傲慢な男が大金を手にして、趣味の昆虫標本収集と同じように女を捕えて家に閉じ込め、愛されようとした身勝手な話しの映画。

 連れ込みに成功して緊張から解き放たれ、顔を洗って家を飛び出し、雨の中で狂喜するシーンの直後に、職場でいじめられる様子と欲のみの観点での逆転勝利に至るまでがあまりにも単純にモノクロで回想される。
そんな淡白で薄っぺらく表せるほどの男の人生経験の少なさが嫌すぎてつらい。

 それ以降、映画の大半は異常な環境下で行われる男と女の政治的な駆け引きだった。
ラブコメの基本形だと思う。

 オチは最悪で秀逸だった。
男は懲りない。
おむぼ

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