HK

第9地区のHKのレビュー・感想・評価

第9地区(2009年製作の映画)
3.5
ニール・ブロンカンプ監督による、南アフリカが舞台で、アパルトヘイトなどのその国が抱えている問題を異星人間の人種問題に置き換えて作り上げたSF映画。

結構面白かったです。出てくる海老型宇宙人を決して善人とも描かず、かといってそれを取り締まるMINUの面々も、対応する際は残酷になるシーンをしっかりと描いていたのが良かったと思う。

でも、人間が与える猫缶をなんの躊躇もなく貰ってしまうシーンが序盤のmINUが訪れたときにあったのは、人間と交渉できる知能があるのにどうかとも思った。だからこそ、ナイジェリアのギャングと交渉するシーンでは結構しっかりできていて良かったかなと思う。

序盤、海老相手に全く同情の余地もよこさなかった主人公が、海老のエキスを偶然浴びてしまい、体が海老化してしまい、最終的に実験対象になってしまうのは善悪の逆転のというものをよく表していて良かったと思う。しかし、あの主人公、それまでは人間側にお世話になっていたのに、海老になったら命優先で寝返ってしまうのはとても軽薄でむかついたな。その後に、自分が助からないとなってから、激昂してクリストファーを突き放すシーンもむかついたな。そのせいか、主人公には終始(いや、ラストは良かったけども)辟易していた印象。

でもそのせいか、クリストファーの株があがり、とても良かったと思う。
HK

HK