ランドスケープ映画とロードムービーとクィアフィルムの奇妙なミックス。映画の印象として強く残るのは、いくつかの鮮烈な映像：アイダホの荒野の上下に波打つ道路、荒野の一軒家の上を流れる雲（固定カメラ長時間撮影からの速回し）、リヴァーの回想シーンの古い質感の映像、静止画像的な動画のモンタージュにより性を強調しない 2度のセックスシーン。母を探すロードムービー中に吐露されるリヴァーのキアヌへの思いが切なく、それを真摯に受けとめるキアヌの包容力に涙、そして様々なシチュエーションを冷静沈着にコントロールするキアヌのカリスマ的魅力。キアヌがイタリアで女性に出会う展開や、終盤にキアヌの父の厳粛な葬式とリヴァーのリーダーのバカ騒ぎ葬式の対位法的演出は、ゴッドファーザーへのオマージュか。サブテーマの中ではナルコレプシーが目を引くが、リヴァーが都合よいタイミングで気を失うためのストーリー上のギミックどまりに思えた。単色背景のエンドクレディット、本作的にはまぁ笑
