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日本のいちばん長い日のHKのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.3
岡本喜八監督による半藤一利原作のノンフィクション小説を映画化した宮城事件など玉音放送が行われる直前の近衛兵の反乱を描いた映画。

三船敏郎、志村喬、黒沢年男、加山雄三、児玉清、小林桂樹などあまりこの頃の俳優を知らない自分でもよく知っている俳優さんを使っていたが、あまりにも登場人物が多すぎてあとで混乱してしまった。

だが、その中でも畑中と椎崎そして厚木基地の大佐は降伏反対姿勢で同意できなかった。黒沢年男さんの演技もあってかちょっと子供染みているように玉音放送を阻止しようとする様子がちょっとイライラしたが、ある意味映画のテンポを作っていたと思う。

近衛兵のクーデターの様子はやはり迫力があった。あれだけの俳優を動員できるのは今見てもすごい。全体的に登場人物が多くて、台詞も難しく多くどういう構図なのか理解するのは大変であったが、しかし息つく間もない内閣と軍部の展開はとても見応えがあった。

阿南陸軍大臣の切腹シーンは、三船敏郎さんの迫真の演技も相まって一見の価値あり。自ら介錯までするとはすごい迫力であった。

最後の最後で、玉音が放送されるまでバイクと馬でひたすら叫ぶ様子は迫力こそあり気持ちも分かったが、やはり彼らに同情できないため無様な様子で笑ってしまった。

いずれにせよ、天皇をお守りする役目である近衛兵がこのようなクーデターを起こすとは、なんとも皮肉というべきか。
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