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瀧の白糸のkazu1961のレビュー・感想・評価

瀧の白糸(1933年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-268 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋女の意地と人生の因縁を見事に美しく鮮烈に描いた作品ですね。。。日本人の心に訴えかけた作品です。何度も映画化されてテレビドラマ化されたのもうなづけます。

🖋そんな泉鏡花の原作を溝口健二監督がフラッシュ・バックなどの手法を多用しながら描いた鮮烈な作品。

🖋惚れた男のために自分の生涯をかけて尽くした女が、その男のために殺人を犯した挙句、検事に出世したその男によって裁かれながらも、男の出世した姿を喜びながら自殺する。。。いかにも日本的な物語。主演の瀧の白糸を演ずる入江たか子が素晴らしい演技で魅せてくれます。

🖋クライマックスの、検事と被告として向き合わなければならなかった悲劇的な結末に感服し、そこまでの徹底した溝口健二の人物造形に圧倒されます。女性の立場から世の中を見る溝口健二の視点はもうこの作品から貫かれています。ほんと傷んだプリントしか残されていないのが残念です。

😢Story:(参考: ぴあ )
水芸人である滝の白糸は、旅興行の先で知り合った苦学生・村越欣弥の、人に媚びないきりりとした性格と将来への夢に惚れこみ、貧乏な村越のために仕送りをして法律を学ばせる。しかし、苦労して借りた金が奪われ、逆上した白糸は高利貸しを刺殺して金を奪い、捕らわれる。彼女を裁くために法廷に立ったのは検事として立派に成長し出世した村越自身だった。昔の恩人を裁くジレンマに苦しむ村越も、ついに法に従い白糸に死刑を宣告する……。

🔸Database🔸
・邦題 :『瀧の白糸』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1933
・日本公開: 1933/06/01
・上映時間 : 88分
・受賞 : ※※※
・監督 : 溝口健二
・脚本 : 東坊城恭長、館岡謙之助、増田真二、清涼卓明
・原作 : 泉鏡花
・撮影 : 三木茂
・音楽 :
・出演 : 入江たか子、岡田時彦、菅井一郎、村田宏寿、浦辺粂子

🔸Overview (参考:Wikipedia)🔸
溝口健二監督作品。サイレント映画。88分。5つプリントが現存するが、ラストシーンが欠落したものや、ラストシーンを含むものの欠落や傷が多いものなど、不完全なプリントしか残されていない。このため、フィルムセンターにより欠落部分を補い、ラストシーンを修復したデジタルリマスター版が作成されている
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