koya

トイ・ストーリー3のkoyaのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)
4.5
1,2と続けて観た『トイ・ストーリー』シリーズ。
3作目はとても切ない。
それは、おもちゃたちの持ち主だったアンディが17歳になって大学に入る為に寮に引っ越す・・・つまり大切にしていたおもちゃたちとの別れの物語
だからです。

しかし、大好きだったウッディだけ大学に連れていって、他のおもちゃは捨てず、屋根裏に保管のつもりがゴミとして出されてしまい、乱暴な子供たちのいる保育園(DAY CARE)に引き取られることに・・・

最初はまた子供たちが遊んでくれる・・・と喜ぶおもちゃたちは、皆が皆、大切に大事に遊んでくれるとは限らない現実を知ります。

おもちゃたちが主人公だから、善意あふれる子供向けというより、これはかつて子供だった大人向けの映画ではないか、と思います。
子供の無邪気な残酷さというものをうまく描いています。

ウッディもバズも人気キャラクターではありますが、どんどん新しいおもちゃや流行が出てきて古くなる。
古くなるものは捨てて新しいものに飛びつく、その繰り返し。

そして脱出をはかるおもちゃたちには、いつものことながらハラハラドキドキ。
でも、アンディは大学へと行ってしまい、別れもやってきます。
とても切ないけれど、それが成長というものでもあるのです。

清水玲子の漫画に『ナポレオン・ソロ』というのがあるのですが、小さい女の子で遊び相手はロボットのナポレオン・ソロ。
でも、女の子は成長し恋愛、結婚をしてナポレオン・ソロを忘れてしまう。
でも、ナポレオン・ソロは女の子の子供がまた自分を遊び相手として必要としてくれる、と前向きな話でした。

流行に流されず、古くなっても子供の頃好きだったものを大事にする、そんな簡単な事を尊く描いています。
koya

koya