しおえもんGoGo

GONINのしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

GONIN(1995年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

バブルの残り香とその崩壊の虚しさが漂う映画。
今見たら割とクサい部分もあるけれど、そういうクドさも含めて強烈な個性や魅力となっている。
変に芝居がかってるかと思えば、リアルな腐乱死体や容赦ないバイオレンスがあり、家族団らんからの惨劇があるかと思えばボートの上をぴょんぴょん追いかけっこする佐藤浩市と本木雅弘が妙に可愛かったり。
感情やテンションのアップダウンが激しいが、平和に見えるシーンであっても確実に破滅に向かう緊迫感が続く。

やっぱり一番強烈なインパクトを残すのがビートたけしだろう。殺し合いの途中でもコンビニの袋をぶら下げて「おーいテッポウ」なんて呑気に言う異様さ。手下の一馬との一種のプレイだろうと思われるSM的な関係もゾクゾクするし、その分一馬が死んだ時のやたらとリアルな取り乱し方が印象的だった。あ、そんなに愛してたんだ と目が覚めるような感覚がした。

若き根津甚八と佐藤浩市は方向性は違うけど二人ともやたらと危ない色気がある。バスの中で二人が会話するシーンは、お互いを認めた者同士の二人の世界という感じで、置いてけぼりの三屋は嫉妬する。でも万代を失った後は同じ愛したものを失った者同士の絆のようなものも感じられる。

椎名桔平とナミイといい、いくつもの愛が儚く壊れていく切なさもありつつ、とにかく濃厚で男の色気とエネルギーが充満する映画だった。
鶴見辰吾もいい。

難点は横山めぐみのタイ人設定にはかなり無理があったことかも。
男性陣のキャスティングに注力し過ぎたのか?
しおえもんGoGo

しおえもんGoGo