このレビューはネタバレを含みます
悪友が最高な奴すぎるおはなし。
途んでもなく惹きつけらる。
パリと大人とガキとを使うたトリユフオの演出、然うしてレオの天性の魅力──とでも云ふべきかしら──に依りて、此のドワネル少年の仏国を巡る人生の一幕劇に途んでもなく惹きつけらる。
「母は死にました」
紛れもなき真実。成るほど咄嗟に出た一言ではあらう。然し彼れに取りて母は死んだのだ。嘘ではない。
大人は何んにも解つてゐない。無理解で短絡的なる大人達に因りて、何処にも居場所が無き少年の脱獄劇。
パリは彼れらの物だ!
走り抜けていつた先の海。予てより彼れが望んでゐた海。閉塞からの脱却、即ち自由。解放感溢るゝ──と思ひきや──嗚呼、何んといふ最後! 果たして彼の顔、彼の目は何を。