マヒロ

紅の豚のマヒロのレビュー・感想・評価

紅の豚(1992年製作の映画)
3.5
不思議な力で豚に姿を変えられてしまった飛行機乗りで賞金稼ぎのポルコ・ロッソは、マダム・ジーナの経営する馴染みの酒場に現れたアメリカ人飛行士のカーチスに目をつけられ、エンジン不調の隙をつかれて飛行機を撃墜されてしまう。ポルコは知り合いの整備士であるピッコロとその娘フィオに新しい機体を製作してもらうが、政権に反目するポルコを追う秘密警察や恨みを持つ空賊が彼の身を狙っていた……というお話。

よくテレビでやっていた記憶があるが、今回が初鑑賞。
宮崎駿が自分のフェティシズムを「飛行機」に全振りしたかのような作品で、主人公がブタになっているというところ以外ほとんどファンタジー要素のない渋い作品。ポルコとジーナの関係はまさに大人の恋という感じでベタベタしてなくて素敵だし、一方的にライバル視されるカーチスと言う男もお調子者ではあるが根っからの悪人というわけではないのもよかった。いつもの少女趣味は殆どないが、序盤に素っ裸の女児がウジャウジャ出てくる場面があって、この後出てこないからと一気に発散している感じがちょっと面白い(邪推)。

監督の美学の詰まった文句無しに「格好良い」作品ではあると思うんだけど、そのキザっぽさがちょっと肌に合わないところもあり、主人公がブタであるという自虐も「照れ」に感じてしまい、若干観ているこちらも小っ恥ずかしくなってしまった。もうちょっと歳をとってポルコ達に近づいたらまた違った感想になるのかも?

(2022.182)
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