ニトー

ジャッカルの日のニトーのレビュー・感想・評価

ジャッカルの日(1973年製作の映画)
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昨今のスパイ風アクション映画のような派手なアクションはないものの、原作者のリサーチに基づく緻密なスパイの描き方が素晴らしい。

誰かが言っていましたが、この映画は確かに「スパイだったらこうす」の完璧なシミュレーションなんじゃないでしょうか。

ジンネマンだと「真昼の決闘」くらいしか見たことありませんでしたが、ホモの人の殺し方とか、やや引きの画で撮るところなんかちょっと北野武っぽくもあったり、目的のために寝た女を目的のために翌日に容赦なく殺していたり、ラストのオチなんかも考えるとヒーローとは真逆に位置する実にスパイらしいスパイと言えるのでは。

ガジェットの仕込み方や調整も丹寧に描いていたり(MIでコンサート会場で楽器に偽装した銃のガジェットの元ネタってこれじゃないのかしら?)、あとあの音楽がかかったままクレジットが流れ出すエンディングの淡泊さとかすごいクール。
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