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豚と軍艦のtjZeroのレビュー・感想・評価

豚と軍艦(1961年製作の映画)
4.1
昭和30年代の横須賀が舞台。スタジャンを羽織って、基地の街を駆けずり回る主役の長門裕之がヤンチャで軽妙で爽快(若き頃のサザンの桑田サンにそっくり)。半病人のヤクザを演じる丹波哲郎もめちゃめちゃクールでカッコいい。
このふたりを始め、猥雑な街をうごめくチンピラたちが非常に生き生きと描かれている。タランティーノのルーツは『仁義なき戦い』などよりもむしろこっちじゃないか、と思わせるくらい。
脂まみれのウナギたちが、泥の中でのたくっているような粘っこい躍動感。どす黒い笑いの中に、(米国に屈服されている日本の)哀しみが鮮血のように混じっている所が味わい深い。
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