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白と黒のナイフのRのレビュー・感想・評価

白と黒のナイフ(1985年製作の映画)
4.3
うおおおおお!!!めちゃくちゃ面白かった!!!と思ってフィルマ来てみたら、評価低い!!!笑 僕の一番好きなジャンルは、サスペンス、愛が絡むともっと好き、なので、本作はすごくツボ。サスペンスが好きな人にはふつうに楽しめる映画だと思うし、とりわけフーダニット好きには強くオススメできる……と思うのだが……どうやらそうでもないらしい…けど僕としては擁護したい。なぜなら、こんなにいろんな期待を裏切られ、ドキドキしながら映画を見たの久しぶりだから。まず、グレンクローズ主演でサスペンスときたら、彼女が世界最恐のサイコパスを演じた危険な情事を思わずにはいられない。今度はどんな恐ろしい女を…と思ってたら、すごくいい人でした。弁護士としてのキャリアのために離婚しながらも、深い愛情でふたりの子を育てるシングルマザーのテディ。男に媚びることのない自立した女性で、柔和な表情が美しい! 仕事できそう! カッコいい! 危険な情事とぜんぜんちゃう! 予想外! ところが、彼女に回されてくるのが、惨殺された女の第一発見者でありその夫、やり手の新聞編集長ジャック。彼は妻の持っていた莫大な遺産の受理者でもあり、容疑者として裁判にかけられることになる。こちらを演じるのがジェフブリッジズ。ジェフブリッジズと言えば、むさ苦しくてダラシないオッサンのイメージしかなかったので、本作の爽やかイケメンぷりにビックリ! 仰天! 予想外! 刑事事件は嫌だ嫌だって避けまくってたテディは、彼からのどうしてもとの要望に対し、絶対あなたが無罪であり、嘘をつかないという条件ならば引き受けよう、と。おお、さすが見た目どおり、仕事に関してはお堅い女性なのだな…と思いきや、数回会って速攻ファックしてるやーーーーーーん!これは予想外でも何でもない。ジャック君、一番いい具合のイケメンやもん。イケメンすぎない、マイルドなイケメン、爽やかでおおらか。ふたりでスカッシュしたあと、おそらく汗だくのままベッドインしてたけど…臭くないのかな…臭いのがいいのかな……で、テディはその関係にズプズプはまっていき、とある裁判の日、語ることすべて真実だ!と言い張っていたジャックの発言を、ガラリとひっくり返す証言者が法廷に現れる!その時の弁護側ふたりの表情をとらえる映像の見事なこと! ふたりの最高の演技はこのショットにおさまれり! これはキツい! テディの立場ならばキツい! しかし! その後またまた衝撃的な証言者あらわる! てな感じの法廷サスペンス。であると同時に、どうやら過去に検事とテディの間に後ろ暗い事情があったようで、それが何なのか、むっちゃ気になる仕方で小出しにしてくる。何やねん!何やねん!おもてたら、それが暴露されたあとのあまりにも皮肉な結末!!! ガーーーーッガーーーーッ! 何もかもがキツい!テディの立場ならばキツい!けどね、合間合間にね、あの相棒のおっちゃんに癒されるんす。ぱっと見のガサツさや口の悪さで人間の良さは測れへんのよ。あと、相棒といえば、検事さんの隣に座ってる検事側の助手の人、不利な事実が露見するたびに、毎度毎度、えっ…うわ…まずいなぁ…みたいな表情になるのおもろ過ぎてわろてまいました。個人的には、いかにもサスペンス!的なちょっとチープでちょっと怖い音楽もすごく好みだった。タイプライターあたりからのハラハラもすごいし、テニストレーナーのキャラもおもろしい。全体としてはかなり地味で、アホなとこもあるけど、愛すべき一作だと思います。ボクがテディでもきっと同じ道を辿ったでせう。職場において個人的感情を完全に押し殺せる鉄人にとっては、こんなプロ意識のなさ見るに耐えない!と思う人もあるかもしれませぬ。僕としては、仕事って人生の大半を占めるし、サバイバルは生活の不可欠な一部だと思ってるので、そこで個人的感情を押しつぶすなんて、よくやるなぁ、って思っちゃうけどね。まぁそれはいいや。
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