しおえもんGoGo

パーマネント野ばらのしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

パーマネント野ばら(2010年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

だいぶ前に一度見たのを再度アマプラで発見。
この菅野美穂の異様な透明感と儚さは何だろう。私の勝手な思い込みだけど、なおこの不安定さと、菅野美穂に私が感じている危なっかしさが絶妙にマッチしてキャスティングが素晴らしい。
というか全員素晴らしい。特に小池栄子と夏木マリ。

江口洋介も飄々とした大人の男っぽさがとても素敵で、彼とじゃれている時の菅野美穂は本当に幸せそうだし、彼がふいにキスするしぐさや、何気なく菅野美穂の手首を握った時のきゃしゃな感じがドキドキする。

例のどんでん返しのシーンの、その真相以上に、小池栄子が言った「あ、デート中か。邪魔してごめん」の何気ない言い方。デート中であることを伝えたときの店の客の様子、野ばらが不安そうな、痛そうな、でも少しだけ安心して無理に笑う数秒間が本当に好き。あの夏木マリの演技はすごかった。
もしかすると今まで何度かカシマと一緒に行きかけたことがあるのかもしれない。大丈夫だと言い切ったみっちゃん(小池栄子)もすごいと思う。

そしてカシマが死んでいた事に驚く以上に、みんながなおこをずっと見守り包んでいたことを知って驚き、その温かさにに泣けた。

その瞬間に下品なジョークで笑っていたあの女性たちが本当に素晴らしく見えて、同時に彼女たちもきっと同じように人生に散々傷ついたうえでああやって笑ってきたんだと分かる。痛みを知らない人があんな風に受け止められないもの。

なおこが子供の頃に「私だけじゃダメなのか」と言った時、野ばらはなおこを選んだんだろう。きっとなおこも ももちゃんの声に戻ってくるに違いない。
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