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ストーカーのptitsaのネタバレレビュー・内容・結末

ストーカー(1979年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

タルコフスキーは『惑星ソラリス』と『鏡』以来の鑑賞です.「ゾーン」と呼ばれる未知の場所で願いが叶えられると知った人々が,ストーカーに案内されてゾーンに向かううちに,自らの内面の問題と向き合っていくという構造は,『惑星ソラリス 』と似ているように思います.「それだけでは足りない("Только этого мало")」と連呼する詩(監督の父親、アルセニー・タルコフスキーの「かくて夏も過ぎ去りき(Вот и лето прошло)」という詩だそうです)を,ストーカーが口ずさむ場面が印象に残りました.影のように真っ黒な犬は何を象徴していたのでしょうか.
タルコフスキーは水の描写で有名ですが,本作の水は非常に汚く描かれています.油が広がっていく描写など,濁っていく様子を強調した手法に,新鮮さを感じました.
ちょうど岩波文庫の『大江健三郎自選短編』を読んでいたので,これをもとに書かれたという中期短編の「案内人」を読もうと思います.
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