イチロヲ

星くず兄弟の伝説のイチロヲのレビュー・感想・評価

星くず兄弟の伝説(1985年製作の映画)
4.0
プロデューサー(尾崎紀世彦)の尽力によりスター歌手の座に着いた2人組の青年(久保田しんご&高木完)が、次世代スターを無尽蔵に生み出していく業界システムに巻き込まれていく。近田春夫のソロアルバムをベースにしている、ロック・ミュージカル。

「ファミコン発売の2年後、バブル経済突入直前」に公開された作品。80年代カルチャーのすべてが詰め込まれており、みんな無駄にハイテンションでキラキラしている。上昇気流に乗っている頃の日本を、嬉し恥ずかしな気分で観察することができる。

本職の俳優がほとんど出ていないため、棒読みの芝居を延々と見せつけられるが、正直なところ「当時の空気感を封じ込めた者勝ち」と言っても過言ではない。ニューウェーブ系の音楽がどれもカッコいいし、ヒロイン役の戸川京子もコケティッシュで可愛らしい。

「日活ロマンポル脳」の持ち主からすると、スクリプターとして白鳥あかねがクレジットされていることに気をそそられる。あえて残念な点を述べるならば、本編の音声がモノラルであることが挙げられる(サントラ盤の楽曲部分はステレオ音源)。
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