みー

タクシードライバーのみーのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.4
スコセッシ監督作品3つ目にトライ。
ふむふむ〜!怖い( ; ; )
正直、面白いと思いながら観られる映画ではなかったけど、凄い映画だというのは分かりました。。トラヴィスという人の闇が、ジワジワポタポタと、透明な水に墨汁のように垂れてくる。とにかく気持ち悪くて、孤独感がビシビシ伝わってきた。

若い頃に観てたら、トラウマになってたかも。私にとって、その闇夜のような暗さのせいでスコアが伸びなかったけれど、でもそう思わせるスコセッシ監督とデ・ニーロ、大成功だよね…。

オシャレーなサックスのBGMはトラヴィスが調子の良い時からひっきりなしに流れていて、ムーディでリラックスした感じなのに…。それがどんどん彼の人格とミスマッチになっていくのがやたら不気味でした。
途中、「サイコ」並みの不協和音が流れてるなと思ったら、本当にヒッチコックとタッグを組んでいた音楽家(バーナード・ハーマン)だったのね…。強烈。。

女性目線で見ると、あーーーいるいる、こういう感覚の男性…という、自己中でズレた人であり、フラれただけでそんなアナタ…という「狂気」に対する怖さがある。


ただ、そういうよくありそうなテーマの中で

大統領選挙
ベトナム戦争と不眠症
治安の悪いNY
幼い売春婦
閉鎖的で、劣悪な条件のタクシードライバー

という、当時のアメリカの背景を思うと、スコセッシ監督の狙いは私の陳腐な感想よりももっと大きなメッセージを孕んでいて、トラヴィスが八方塞がりになるには十分な環境で…。そこに救いの手があるかというと…。

公開当時は、きっとすごくセンセーショナルに人々の心を掴んだのだろうな…と想像できました。掴まれすぎて、事件を起こす人もいたんですね…。

もちろん、今でも名作といわれる所以は、スコセッシ監督の素晴らしさに尽きるのでしょう。ただ私にはやはり、この監督は強烈に男目線過ぎるかなー。

ジョディ・フォスターとハーヴェイ・カイテルのダンスシーンは、なんかすごく好きでしたね。なんだろねあれは。「スポーツ」。格好もあだ名もダサすぎ♡

何より、一連の衝撃的なラスト。にわかには信じられない。モヒカンですよ?いいのかえ?

次乗ったタクシーが、モヒカンでこのBGM流れてたら、どうしましょ。(笑)
みー

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