地球全体が人工的に管理され、気温も摂氏24度に統一された未来。
植物は絶滅したものの、人類は人工食品で食糧を補い、格差によるストレスのない理想的な社会を実現していた。
一方、土星付近に停泊する宇宙船では地球を再緑化する計画のための植物の研究が進められていたが、8年経っても得られない成果に政府は計画の中止を決定。
地球への帰還と、研究で育てていた植物の破壊を命じられると、自然を愛する船員ローヴェルは反乱を起こし、たったひとり、宇宙に残って研究を続ける。
『2001年宇宙の旅』などで特撮を務めたダグラス・トランブルの初監督作。
70年代製作なので昨今のSFに比べたらもちろん映像は劣るけど、ストーリーといい音楽といい、郷愁を掻き立てられる傑作だ。
ローヴェルが船内で共に過ごすドローンの名前がヒューイ、ドゥーイ、ルーイってところもディズニーファンにはたまらない!
そして、なんと言っても見どころは『天空の城ラピュタ』を彷彿とさせる(宮崎監督がこの映画に影響を受けているのでは?と噂されている)ラスト。
人間の生き死にを観るよりも"生命"を感じることができる、映画史に残る名シーンである。