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群盗、第七章のギルドのレビュー・感想・評価

群盗、第七章(1996年製作の映画)
3.6
【循環する暴力と密告の歴史】
■あらすじ
現代のパリ。とある試写室に男たちが集い、席に着くなりタバコを吸い始める。スクリーンには、豪邸で酒を飲みゲームに興じる大人たちを少女が射殺するシーンが映し出される。中世のジョージア。王は森で出会った羊飼いの娘を見初め、彼女を王妃として迎え入れる。内戦下のジョージア。街を装甲車が行き交う中、ひとりの浮浪者が酒瓶を抱えて通りに出る。革命前のジョージア。スリの男ヴァノは共産主義者のテロリストに脅されて彼らの一員となる。中世。サルタンは第一夫人に毒を盛られて倒れるが一命を取り留める。


■みどころ
面白かった!
試写会の映画を観るも、その内容は様々な時代の血生臭い暴力ばかりだったお話。

同一人物が様々な時系列で違う役割を演じて、暗殺する・される側と密告する側と騒ぐ外野の関係性が常に循環する歴史の真諦を映画で紐解く興味深い作品でした。
その中野常に暗躍する側、利用する・される側で成り立つ暴力にスポットを当てた作品は土着的なテーマなのかな?
ウクライナのロズニツァ作品とベクトル的に似てて、ロズニツァもイオセリアーニも感じる事は大体似てる事を示唆してる気がする。

印象的なのは中世の暴力的な拷問が文献を通じて意図が伝承して、拷問器具から銃、銃から格差と変遷するところ。
分断する手段が変わっても本質は変わらない事に怖さを感じる。 しかもBGMが軽快でコメディ(大嘘)に成り上がってるのも怖さを増してて、なんかもう凄かったです。
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