しぇんみん

ターミネーター2のしぇんみんのレビュー・感想・評価

ターミネーター2(1991年製作の映画)
4.4
感涙のサムズアップ。

前作の死闘から10年。

サラ・コナーはハイテク機器工場を爆破した異常者として精神病院に収容され、カイル・リースと彼女の愛の結晶であるジョンは里子に出されていた。

またしてもターミネーターが現代に送り込まれることとなるが、10年前とは違い性能の異なる2機が送り込まれていた。

ジョンの目の前に現れる2機のターミネーター。

一方はジョンを守りに、一方はジョンを抹殺しに。

前回は敵だったT-800に護られ、間一髪で逃げ出すコナー親子。

母親の唱える未来を信じていなかったジョンは、T-800という未来を目の当たりにし、真実を悟る。

そして、前作のT-800から回収したチップがスカイネットの起源となることを知った彼ら。

ここに人類の未来を賭けた戦いが幕を開ける...。

まさに1作目を超える続編の代表作。

前作では敵方だったT-800が、本作ではジョンの守護神として八面六臂の大活躍。

最初は違和感を感じるが、次第に揺るぎない信頼に変わってゆく演出が秀逸。

サラ・コナーも、普通の女子から息子を守ろうと全てを掛ける強い女性に変貌を遂げている。

終始先の展開が読めず、あっという間にラストまで持っていかれる。

本作の殺人機T-1000は、「流体多結晶合金」で触れたもの全てに姿を変えられる。

身近な人間に姿を変え、あの手この手でジョンを亡き者にしようと襲ってくる殺人機T-1000と、愚直なまでに体を張ってジョンを護ろうとする守護神T-800。

この攻防に燃えないはずがない。

余談だが、サラを演じるリンダ・ハミルトンは実は双子で、ラスト間際の死闘は姉妹で演じていたとのこと。

双子でも微妙な違いが見て取れ、二人のサラの違いを探すのも面白い。

そして、ジョンと本当の親子以上に硬い絆を結んだT-800が、未来への円環を断とうとするラストシーン。

心を持たないはずの殺人機が見えない涙を流し、高く掲げたサムズアップ。

ここで泣かずして、どこで涙を流すものか。

ただのアクションものでなく、非論理的だが深い人間の情にズームした内容は、観客の心を打ちぬき大きな風穴を開けることとなる。

本作、終焉を迎えても興奮冷めやらぬぞ。

ん~、ハナマル!!

2019/10/15
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