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ターミネーター2のtetsuのレビュー・感想・評価

ターミネーター2(1991年製作の映画)
5.0
『ターミネーター:ニュー・フェイト』の復習で鑑賞。

暗殺兵器・ターミネーターによる襲撃から数年。
母親となった"サラ・コナー"は来るべき"審判の日"に向け、強い人間になるため、日夜、鍛練を積み重ねていた。
その頃、息子"ジョン・コナー"のもとには、再び"ターミネーター"が現れ...。

アクション、コメディ、感動、全ての要素が散りばめられ、演出・話運びにおいても完璧と言える映画の教科書の様な作品。もう、ただただ最高でしたね...。

まずは、シンプルなようで洗練された演出の数々。
例えば、人間のふりをしたターミネーターがドアを叩いたときになる金属音や、牛乳の白に混ざる血の赤色、直線で対峙する2体のターミネーター、そういった一つ一つのシーンの積み重ねが視覚的・聴覚的な快感に繋がっていましたし、『...1』の展開を踏まえた上での繰り返し(未来からやって来た二人の人物 etc)や変化(サラ・コナーの設定、クライマックスの舞台 etc)が絶妙すぎて、続編として文句なしとしか言いようがなかったです...。
(しかも、前作を観ていなくても楽しめるという物語の分かりやすさ。)

また、同監督の『エイリアン2』主人公・リプリー同様、映画史に残るカッコいい女性像は言わずもがなでしたね...。

そして、「機械」と「人間」という設定ゆえの「差異」を見事に活かした物語が最高!
「差異」が生み出す「笑い」が、終始楽しい作品だからこそ、中盤以降で提示される「泣くこと」の尊さ、感情を持った人間であることの素晴しさが、より伝わってくる作品でした。

「未来は先の見えない夜のハイウェイ。それでも、道は自分達の手で切り開く。」
そんなシンプルながらも心に響くテーマを描いた本作。

無人爆撃機による殺人が実現してしまった現在だからこそ、ラストシーンのメッセージに胸が刺さる、SF映画史に残る傑作でした。

参考
イラン司令官殺害、トランプ氏「戦争始めるためではない」 - CNN.co.jp
https://www.cnn.co.jp/world/35147573.html
(冗談抜きで、いつか、トランプ大統領が審判の日を引き起こす気がしてきました...。)
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