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死霊のえじきのドントのレビュー・感想・評価

死霊のえじき(1985年製作の映画)
4.3
85年。ジョージ・A・ロメロによるゾンビ三部作の三つ目にして、テーマ性もドラマもキャラクターもグロアイデアもそしてランタイムの短さも最大限に研ぎ澄まされた最高傑作。ちょい物足りないのはご予算くらいか。ゾンビがはびこる地上を逃れ地下に逃げ込んだ科学者、軍人、操縦士ら12人が見るも無残に揉めまくる。
発生~蔓延と進んだ最終作は人類としては完全に負け戦。12人にはだだっ広く寒々しい地下空間、協力しましょうと言っているのにギスギスしまくる閉塞感、均衡がいつ崩れるかわからない双方の傲慢と狂気、どう考えてもどうしようもない雰囲気が、しかしアメリカ映画らしいほんの少しのゆるやかさの中で描かれる。
全てが収まるべき点に収まるカタルシスもあり、前2作と比べて幕の引き方も相当に明るく(※人は死にます ※モツも出るし手足ももげます ※脳とか出ます)、「人間、クソどうしようもないね!」と笑顔で言いたくなる。ベストアクトはもちろんバブの人である。素晴らしいですね。映画っていいな。
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