kazu1961

タブウのkazu1961のレビュー・感想・評価

タブウ(1931年製作の映画)
3.8
▪️JP Title :「タブウ(1931)」
Original :「Tabu」
▪️First Release Year : 1931
▪️JP Release Date : 1931/07
▪️Production Country : アメリカ
🏆Main Awards : 第4回アカデミー賞 撮影賞
▪️Appreciation Record : 2020-631 再鑑賞
🕰Running Time : 84分
▪️Director : F・W・ムルナウ
▪️Writer : F・W・ムルナウ、ロバート・フラハティ
▪️MusicD :ヒューゴ・リーゼンフェルド
▪️Cast : ※※※
▪️My Review
サイレント史上最も優れた監督といわれるドイツ表現主義のムルナウが自動車事故で急逝する前に作られた作品です。記録映画の巨匠フラハティとのコラボレーションで、ドイツ表現主義を代表するムルナウが、ハリウッドに渡った後、そのドイツとハリウッドの双方で磨いた才能を結集させた見事な作品を作り上げました。
本作は南海を舞台にして、自然の撮影地で撮影された美しい映像叙事詩です。
プロの俳優を排して、現地のポリネシア住民を使い、ドキュメンタリー・タッチで、厳しい戒律の中に暮らす人々の素朴さを描き出しています。
そのストーリーは「楽園」と「失楽園」と名付けられた二つの章からなり、そこに描かれているのは死の前兆・・・聖なる禁忌の乙女に指名され、誰も手を触れてはならない「タブウ」となったひとりの娘のラブストーリーです。と同時に後半部分では、素朴な快楽主義に生きる島民たちを変えてしまう腐敗した文明(特に金)の影響力もテーマとして描いています。

物語は。。。
島一番の美しい娘に恋をした青年。しかし、その仲は部族の最長老の僧侶が、彼女を神に選ばれし禁忌の乙女と指名したことで裂かれてしまいます。諦めきれぬ青年は彼女を連れ駆け落ち、遠く離れた港町で真珠採りで生計を立てますが、そこへも追及の手は延び、彼女は再び連れ去られます。青年は泳ぎに泳ぎ、遂に彼女を乗せた船にたどり着くのですが。。。

ラスト・シーンでの音楽の使い方が秀逸です。だんだん音が小さくなっていくのが、見事なラスト・シーンの意図を表現しています。

▪️Overview
「サンライズ」「都会の女」のF・W・ムルナウが「モアナ」のロバート・フラハティと協力して組み立てたストーリーを基にして自ら監督、製作にあたった映画である。南太平洋ポリネシア諸島の一部がロケーション地となり、フロイド・クロスビーが撮影を担任、出演者は少数のハーフと中国人を除く他はすべてポリネシア人。ヒューゴー・ライゼンフェルト選曲による伴奏が後に録音された。ちなみにこの映画完成後、製作者ムルナウは奇禍に遭遇してカリフォルニアに物故した。ゆえにこれは彼の遺作となったわけである。(引用:映画. com)
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