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花とアリスのsoのレビュー・感想・評価

花とアリス(2004年製作の映画)
3.5
平凡な高校生の退屈な日々。
そんな日々でも何故かたまには、いつまでも忘れられないような特別な瞬間は誰にでも訪れるもので、そんな輝ける瞬間を自然に切り取って映画にできる岩井俊二は本当にすごいなと、本作を観るたびに思う。
窓から見えるアトムも、舞台で繰り広げられている下劣な落語も、彼女と無関係に存在する周りのすべてが、真剣に苦しんで涙を流す彼女の健気さを際立たせる。
そして、彼女自身がいつかこのことを思い出して心の中で笑っている姿を想像すると、自分の退屈だった日々も決して悪くなかったという気がしてくるから不思議だ。
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